逍遙録

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# 原発と安全保障
あの3月11日から3年経ちました。

早いものですね。

東北の方々の辛抱強い戦いの日々は続いているかと思います。
地震、津波、原発事故の影響。

原発事故については、未だに収束しているとは言い難い状況だと思います。

「脱原発」について、色々と言われているので私も書いておくことにしました。

脱原発については、福島にあのような状況をもたらした以上、別の供給源に移行していくのが当然だと考えています。

ただし、それは「今すぐに」ではない。

「脱原発」を論じる人々たちから良くあがる意見として、
 ・現時点で本当に必要な電力量は、原発での大量発電が必須な量ではない。
 ・火力発電や、風力発電、太陽光発電で十分賄える
というものがあります。

風力発電のエネルギー発電効率はいくらぐらいなのでしょうか?

まず、風力発電には風が必要ですが、いつでも必ず風が吹いているとは限りません。
当然、発電施設の設置場所はそれなりの場所を選定するでしょうが、あの大きなプロペラでも、捉える風の全てをエネルギーに変換するのは至難の業ということですから、かなり効率は悪いでしょう。(適当)

では太陽光発電は?
これは、今色々な場所に自治体が設置を進めているようですが、効率の悪さは火力発電に比べても言わずもがな。
一般世帯の電力を賄えるまでに改良が進めば、大きな一歩にはなると思います。

火力発電。
これはもう歴史のある発電方法ですが、「クリーンエネルギー」が叫ばれて久しい昨今、また逆戻りするんでしょうか?
まぁ、【地球のCO2問題】なんかもプロパガンダ主導で進められたことが大きいようですし、最近の異常気象は「太陽の黒点の異常活動」が科学者の一般的な見解みたいですね。
また、火力発電は石油などの燃料を大量に必要とします。
しかも、日本には今現在、自国で大量生産可能な燃料となる資源はありません。
(メタンハイドレードなどは、まだ開発着手したばかりで、実用化は少なくとも、10年近くかかるのではないでしょうか)


電力の供給源として求められるのは、「エネルギー量」、そして「安定供給」ではないでしょうか。


震災時の東京電力の対応で、「電力なんか火力発電しかなくても足りているのに、こんなパフォーマンスをして、原発が必要だというアピールがしたいだけだろう」という人がいますね。
そのことを槍玉にあげ、「電力は足りているのに、東電が原発を使いたい為に需要と供給量をちょろまかしてる」みたいな風潮があります。

私は、あのタイミングでは、あのような対応をせざるを得なかっただろうと思います。

火力発電には、大量の燃料が必要。
ましてや首都東京の消費するエネルギー量を毎日24時間、作り続けなければいけません。
「とまることは出来ない」んです。

有事とも言える状況下で日本の国家機能が停止に近い状態にあり(まあ国会だけですけどね停止していたのは)、海外からの輸入に頼る燃料資源が今後数ヶ月、365日24時間の電力供給を賄えるだけ安定的に手に入れられる保証はどこにあったのでしょうか。
このことを考えれば、私が経営者なら、「無駄遣いせず、最低限を国民に供給し、燃料はできるだけ備蓄にまわす」という手段をとったんじゃないでしょうか。
(震災後の対応には大いに不満ですし、東電を庇っている訳ではない)

だって、東京湾岸沿いでコンビナート燃えてましたし。
あれ見たら、いつ余震で備蓄施設が爆発するか分からない状況ですよ。

私自身、311震災直後は「輪番停電」を経験しました。
毎日職場の人たちみな、夏の暑い最中にクーラーもつけず、電気も最小限にして頑張っていました。
(お陰で視力はガタ落ちでしたが)

「いつどのタイミングで、電力がとまるか」が分かっていれば、ある程度対応は出来ます。

ですが、突然、止まる。
これは最悪の事態を引き起こしかねません。
病院なんかは最も影響が大きく出るでしょう。人の命に関わります。
事後の政治主導が拙ければ、金融市場なんかは大打撃でしょうね。下手したら崩壊です。
また、夜の灯は犯罪抑止として大きな力を持っています。
街灯が使えなくなったら、今の日本の治安はどのくらい保てるのでしょうね。

突然止まることを避けるには今の所、火力発電の場合は燃料を安定的に海外から輸入するしか方法がありません。
その輸入元はどこか・・・・サウジアラビア30%、アラブ24%、イラン14%だそうです。(経産省HPより)
紛争地域ばかりですね。

紛争地域ですので、いつ安定供給が難しくなっても不思議はありません。
また、エネルギー戦争が勃発すれば、当然原油は高騰し、日本の消費エネルギー量を賄えるコストを維持することは難しくなるのではないでしょうか。


エネルギーを安定的に供給することは、既に国家の維持そのものに関わるところまできています。
脱原発はいずれ実行するべき、ただしそれは今すぐにではない。
安全保障としてのエネルギー問題をクリアし、「本当の意味」で安定的に国家にエネルギーを供給できること。
当然、原発の徹底管理も必要です。

それらを最優先の課題として取り組むことこそが「脱原発」だと考えています。

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